2013.12.13 ついに発表!日本の英語教育の抜本的改革(下村文部科学大臣)

投稿日: カテゴリー: 教育ニュース

待望の英語教育改革が発表されました。受験に特化した英語ではなく、外国の人たちとコミュニケーションしたいという、子どもたちが持つ、本来の英語の目的を達成するための英語教育に、早く変化してもらいたいです。

「英語教育改革実施計画」の柱は、

  • 小学校の英語教育を3年生に前倒しする
  • さらに、小学5・6年生では「外国語活動」から「教科」に格上げ
  • 中学校では授業を英語で行うことを原則とする

2020年の東京オリンピック実施までに体制が整えられます。

2013年12月13日 下村博文文部科学大臣の定例記者会見

「英語教育改革実施計画」に関するご説明

大臣)

~(略)~

もう1点が、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」についてであります。
教育再生実行会議第3次提言を踏まえ、初等中等教育段階からのグローバル化に対応した教育環境づくりを進めるため、小学校における英語教育の拡充強化、中・高等学校における英語教育の高度化など、小中高等学校を通じた英語教育改革を計画的に進めるための「英語教育改革実施計画」をまとめましたので発表いたします。
本計画では、新たな英語教育の在り方として、まず小学校においては、外国語活動として中学年、3・4年生から実施をし、高学年、5・6年生では、「教科」週3コマ程度を実施をしたいと考えております。
また、中学校においては、英語で授業を行うと、全部英語で授業を行うとともに、高等学校においては、発表や討論などを重視するなど中・高等学校の英語教育の目標・内容の高度化を図っていきたいと考えております。
小・中・高を通じて一貫した学習到達目標を設定し、英語によるコミュニケーション能力を確実に育成するとしており、これに伴い必要な事項を次期学習指導要領の改訂等に反映をさせていきたいと考えております。
こうした英語教育の在り方の改革を実現するための体制整備として、教員等の英語力・指導力向上のための研修やリーダー教員の加配措置を図る。また、ALT、外国語指導助手でありますが、ALTなど外部人材の活用を更に促進をさせると。また、小学校英語の教科化のための指導教材の開発を行う。さらに、地域拠点事業等による小学校英語の教科化の先取り実施、このような取組を随時実行していきたいと考えております。
また、生徒の英語力を外部検定試験などを活用し検証していくとともに、大学入試においても、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」の4技能を測定可能なTOEFL等の試験の活用の普及・拡大を推進してまいります。
こうした方策を、外国から多くの人々が日本に集う2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、来年度から計画的に進めていきたいと考えております。
加えて、グローバル化が進む中で、国際社会に生きる日本人としての自覚を育むため、我が国の伝統文化や歴史の重視など、日本人としてのアイデンティティに関する教育も充実をしていきたいと考えております。
今後、本計画を具体的に推進していくために、教育目標・内容、研修や指導体制、教材等の在り方について、専門的・実務的に検討するための有識者会議を早期に設置し、平成26年度夏頃までをめどに取りまとめていきたいと計画をしております。
私の方からは以上です。

記者)
2点お願いします。
まず1点目は、今の英語教育ですけれども、高校で今やっている英語による授業というものを中学校に前倒しする狙いと、また、それが中学校段階でも可能であろうと判断した理由を教えてください。
もう1点は、昨日、2013年の世相をあらわす漢字に「輪」が選ばれましたけれども、大臣が考える今年の漢字、何かありますでしょうか。その2点をお願いします。

大臣)
まず1点目でありますけれども、今の中学校、高校における英語の現状とその課題ということで説明を申し上げたいと思うのですが、現在の学習指導要領では、小中高等学校を通じて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成や、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」の4技能をバランスよく育成することを掲げるとともに、中学校外国語科の授業時数を約3割、週3コマから4コマに増やすと。また、高等学校の英語の授業は英語で行うことを基本とするなどの、外国語教育の強化を図りたいと考えております。
しかし、一部の学校においては、文法事項の解説や訳読が中心の指導となっており、4技能の総合的な指導が行われていない場合があるなどの指摘があります。
事実、大学入試センター試験は、250点満点で、読むが200点、そして聞くが50点、そして話す、書くが対象になっていないということもあるということが、現在の高校の教育等にも、そういう影響がマイナス的に反映しているというふうに考えております。
また、学習した語彙や表現を、言語活動を通じて活用する指導が行われにくいということがあり、そのため、学習した語彙や表現を活用して自分の思い等を相手に分かりやすく伝えたり、内容的にまとまりのある一貫した文章を書いたりする力が、十分身に付いていないという場合があるというのが、現在の状況だと思います。
このため、学習指導要領に「英語を用いて何ができるようになるか」、学習到達目標を取り入れるとともに、それに対応した4つの技能の評価を実施するとともに、中学校においては、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、高等学校と同様に、英語授業、英語で授業を行うということを基本にしたいと。
また、今後、高等学校においては、聞き取り、多読、速読、発表、討論など言語活動の内容・量の増加を進めていきたいと考えております。
あわせて、こうした改革に対応した指導要領や指導方針や教科書・教材の改善を図っていくことによって、我が国は、やはり受験英語中心の授業になっていたことによって、長く勉強しても実際、海外に行ってほとんど即戦力として英会話や積極的なコミュニケーションとして活用する意欲が薄れているというところの中で、この4つのバランスをとった、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」、こういうことに学校教育においてもシフトするということを目標にしていきたいというふうに考えております。
それから、今年の漢字一字で表すということですが、私も偶然ですけれども、「輪」がいいというふうに思っておりました。
これは、五輪担当大臣ということもあるのですが、私自身のこの1年間を振り返って、やはりこの9月7日、ブエノスアイレスで2020年東京オリンピック・パラリンピックが決まったということが、国民の期待感、また一体感、その「輪」ですね、そういうトータル的に、五輪の「輪」であると同時に、日本の心の「輪」、一体感、そういう大きなインパクトになる9月7日であったのではないかと思いますし、そういう「輪」というのは、いろいろな多様性の意味があるというふうに思いますが、それを是非、国民がそちらの方向に向かって、更に頑張るという意欲を喚起してもらえるような、そういうことを五輪担当大臣としても、また文科大臣としても実践をしていきたいと思っています。

記者)
先ほどのグローバル化対応について、お聞きします。
小学校で、このように時間数・低学年化に対する強化、あるいは、外国語活動を設けた場合、年間の総授業時間数が増えることも可能性としては考えられます。
現時点で、大臣としましては、年間総授業時数を増やすのか、それに加えて、土曜日の活用についてもお考えがありましたらお聞かせください。

大臣)
おっしゃるとおり、小学校の3・4年生を対象に、週1・2回、それから小学校5・6年生を対象に、週3回程度の授業を教科として考えるということで、当然その分、トータルの授業時間を増やさなければならないということでありますし、同時に、日本人としてのアイデンティティ育成のための伝統文化・歴史を育む教育、これは、既存の教科の中で反映できる部分もありますが、それでも十分でないということも出てくるかもしれません。
ですから、トータル的に小学校だけでなく中学校以降もそうですが、改めて教科の在り方というのも、これから検討しなければならないというふうに思いますが、土曜授業は、またそれと別のコンセプトで、土曜は是非、地域の方々に参加してもらいながら、地域力が落ちている中で、地域ぐるみで地元の子供たちをみんなで応援しながら育てていこうということで、地域の方々に教師になっていただいて、そして、子供たちのやる気、意欲を喚起するような環境づくりもしていきたいというふうに思います。
ただ、その中で今回の省令改正によって、地域だけでなく土曜授業ということで、教育課程の一環として学校が自ら、学校の先生がすることも可能だということもしておりますから、いろいろなチャレンジを各学校で、是非前向きに取り組んでいただいて、その結果も踏まえながら、今後、土曜日をより有効的に活用的にどう使うかということも議論になってくると思いますが、まずは来年4月からは、土曜日そのものをいろいろな形で学校で活用するということについて、促進するようなことをしていきたいと。その上で、土曜日の在り方については、今後、活用状況を見ながら判断をしていきたいと思います。

記者)
更に土曜日の位置付けについて見直す可能性があると、先般、省令改正したばかりですけれども、このプランを実行させるために、土曜日の位置付けについて見直す可能性があるということでしょうか。

大臣)
当分は、ありません。当分はありませんが、小学校英語等を導入することによって、授業時間を増やさなくちゃいけないということですから、将来の検討課題として、そういうことも視野には入るでしょうけれども、今の段階でそれを考えているわけではありません。

記者)
表の方に「段階的に先行実施」というふうにあるのですけれども、この段階的な先行実施というのは、いわゆる指導要領のように、小学校、中学校、高校というふうに上がっていくという意味なのか、もちろんできるところからやっていただくというような意味なのか、その辺はいかがでしょうか。

大臣)
資料のどこですか。

記者)
ちょうど真ん中あたりで「段階的に先行実施」というふうにあるのですが、やれるところからやるというイメージなのか、それとも学習指導要領の先行実施のように。

大臣)
新教材を使用し、新学習指導要領を段階的に先行実施。

記者)
通常だと、今までだと小学校、中学校、高校で少しずつ段階的に実施、教科だけ実施していたと思うのですけれども、そういうイメージなのか。もしくはやれるところからやっていただくというイメージなのか、その辺はいかがですか。

大臣)
これは、担当者。

事務方)
できるところから、どんどん実施して、そういう意味です。

記者)
できる学校からというイメージでよろしいですか。

事務方)
そうですね、はい。

事務方)
あと、学年進行ということも入っております。例えば3、4年生をやって、次は5年生、6年生、中、高校ということもあります。

記者)
小学校をやったとしても、中学校、高校からでもやってもいいというイメージですか。

事務方)
はい、そうです。

記者)
中学、高校も18年度からやれるところはやってもいいと。

事務方)
はい、そういうことです。

記者)
今回の英語教育の改革は、歓迎する声もある一方で、ちょっと、高校卒業時点で求める英語力の目標がちょっと高いのではないかということとか、あと予算もエネルギーもかなり必要になる中で、実際にちゃんと混乱なく実現できるのかという不安の声もあるかと思うのですが、どういった点に配慮しながら進めていきたいとお考えでしょうか。

大臣)
一番大切なのは、やはり教員だと思いますね。小学校段階からそうですし、中高校においても、御指摘のように、今よりもレベルアップをさせた英語教育を行っていくと。そのために、今までと同じような指導をしていたのでは、これはそのニーズに対応することができませんから、教師力を高めていくと。
そのためにTOEFL等、あるいは英検等、一定の基準を設けて、そしてそれを数年後にクリアするという猶予期間的な期間を設けますが、それでまず英語教員がしっかりとした英語力を身に付けてもらうということは、前提条件だというふうに思います。
それから、小学校においては、ネイティブ等を含めた、特に小学生のときの英語というのは、頭からというよりは音楽的に、耳から、感覚から音感としてどう最初に学ぶ環境をつくるかというのが大切ですから、非常に発音等、ネイティブ的な優れた教員をどう確保するかということは課題だというふうに思いますし、そのためには、何万という教員を確保しなければならないということで、そういう教員確保等、それから、そのための財源をどうするかということは大きな課題でありますけれども、しかし、2020年にオリンピック・パラリンピックが決まったということを受けて、これは文部科学省だけでなく、政府全体として、グローバル人材の育成のための英語教育を小学校段階ではどうするかということについては、当然、財務省を含め他省庁の理解が得られることで、これは文科省だけの話ではありませんから、政府全体の中で、十分共有をしていただけるし、財務省も当然そういう理解は十分あるというふうに思っています。

~(略)~

記者)
 改めてになるのですが、今回、英語教育をこのように改革するに当たって、大臣として期待することであったり、あと、思いを頂いてもよろしいですか。

大臣)
外国の人から見たら、日本人は、例えば今回のPISAも好成績なわけですね。
この間、フィンランドの教育大臣が、私のところに「日本の初等中等教育を是非学びに行きたい」ということで、日本に来た目的の一番はそれなのだというふうに言われました。これは世の中の大きな流れの変化で、フィンランドがPISAで世界で一番になったとき、世界中がフィンランド詣でしたのですね。私も実際にフィンランドに、そのときに行ってきました。
そのフィンランドの教育大臣が、今は日本の方が、初等中等教育ははるかにうまくいっていると、そういう評価をされていて来られました。恐らくこれから諸外国が、日本の初等中等教育詣でを多分してくるというふうに思いますね、今後。
しかし、その中で、英語教育だけは、何で日本はこんなに実用的ではないのかと。中・高校6年間、大学まで入れたら10年間、最低6年間勉強しても、諸外国であれば、即、それが実践的な、日常会話を含めて英語の会話が成り立つのは当たり前だという常識が世界の中ではあると思うのですが、我が国ではそれが成り立たないと。もちろん、その英語の文章も読むとか、そういうことは決して劣っていないというふうに思いますが、しかし、語学というのは人とのコミュニケーションのツールとしてあるわけですけれども、その、人としてのコミュニケーションツールそのものは、実際、学校教育の中できちっと教わっていないのではないかと。つまり、受験に特化した英語ではないかと、受験英語ですね。こういうことが世界で見たら、日本の不思議のというか、非常識の一つだというふうに思うのですね。
事実、子供たちにとっても、将来、別に英語学者になりたいとか思っているわけではなくて、あくまでも外国に行ったとき、外国の人たちときちっとした会話ができると、コミュニケーションができる、そういう前提で、英語というのは学びたいと思っているでしょうから、そういうものに早く変えるということは、やはり当然、全ての国民が求め、また問われていることではないかというふうに思います。
ですから、単なる受験英語から、これからは日常コミュニケーションが外国人ととれる、そういう、言葉としてのツールとしての英語教育をきちっと教えるという意味で、大きな今回は転換だと思いますし、またそれは、当然の時代の要請だと思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)